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相続についての記事

  • 配偶者居住権の話

    2020年5月14日

    2020年4月に施行された改正相続法の大きな目玉は、何といっても「配偶者居住権」です。

     

    「配偶者居住権」とは、噛み砕いて言うと、旦那様を失った奥様=「配偶者」(もちろん逆でも構いません)が、相続ののちも旦那様と住んでいたご自宅に、引き続き「居住」できる「権利」を言います。

     

    このような権利が法改正によって新設されたということは、その必要があったからにほかなりません。例えば、旦那様が亡くなられて残された奥様と息子さんが法定相続分で相続するとします。旦那様の資産はご自宅である不動産と預貯金がある場合、奥様は旦那様とご自宅で一緒に暮らし、息子さんは独立し、親元を離れて暮らしています。このような場合、奥様が継続してご自宅に住み続けることを希望されるとすれば、法定相続分は、配偶者が相続財産の2分の1、子供は相続財産の2分の1ですから、奥様と息子さんが不動産と預貯金を半分ずつ相続することになります。

     

    しかし、このように遺産を分けてしまうと、ご自宅を息子さんと共有することとなります。場合によっては息子さんが第三者に自分の権利(持分)を売却してしまう、といった事態も起こりえます。もし息子さんとの折り合いが悪くなり、ご自宅を出ていくとなると、奥様がご高齢である場合等は、賃貸物件の審査も厳しい傾向にありますし、何より住み慣れた家を出ていくことは大きな負担です。

     

    そこで考え出されたのが「配偶者居住権」です。この権利のポイントは、ご自宅を住み続ける権利(居住権)と、住む権利を負担する所有権とに分けて考えることにあります。仮にご自宅の不動産を2000万円、預貯金を2000万円、そして、ご自宅のうち居住権を600万円、居住権の負担のついた所有権を1400万円だとします。ここで、奥様が居住権を、息子さんが所有権を相続すれば、奥様が法定相続分どおりに相続すると、法定相続分は2分の1ですから、相続分は2000万円となり、居住権の額600万円を引いた、1400万円の預貯金を奥様が受け継ぐことができます。配偶者居住権を行使して法定相続分どおり相続すれば、奥様の手元には預貯金が残るうえ、ご自宅に継続して住み続けることができるのです。配偶者の権利ですから、息子さんから「家から出て行ってほしい」と言われることもありません。ここまでの事例は、法定相続分どおりの相続についてのお話でしたが、もちろん相続人間の話し合い(遺産分割協議)による相続も可能です。

     

    ここから、「配偶者居住権」について、さらに詳しく説明していきたいと思います。

     

    まず、「配偶者居住権」には、二つの種類があります。

    一つは、配偶者の居住権を短期的に保護するための方策としての「配偶者短期居住権」、もう一つは、配偶者の居住権を長期的に保護するための方策としての「配偶者居住権」です。

     

    「配偶者短期居住権」については、簡単に言うと、配偶者に短期間のみ居住建物に対する使用貸借関係を認めようとするものであり、誤解を恐れずに言えば、いわば応急処置的なものです。例えばご自宅が遺言により第三者への遺贈の対象となっている場合に、次の居住先が見つかるまでの一定期間無償で住み続けることができる、というような権利です。

     

    もう一方の「配偶者居住権」についての説明に移ります。

     

    「配偶者居住権」は、被相続人の遺言や,遺産分割協議、または家庭裁判所の審判によって取得することができる権利です。配偶者居住権の価値は、建物の残存耐用年数や平均余命などを考慮して算出します。配偶者居住権の期間を定めていない場合は、権利者が亡くなるまで、その権利は存続します。また、10年間とか20年間とか任意の期間を定めることもできます。期間を定める場合は、遺言書や遺産分割協議書等に期間を記載します。

    この配偶者居住権は無償、つまりタダで住み続けることができます。先述のとおり、勝手に追い出されることもありません。

     

    このようにメリットの多い配偶者居住権ですが、注意点もございます。

    配偶者ならば、どんな場合にも認められるというわけではなく、相続発生時にご自宅に住んでいる必要があります。つまり、別居していたら認められません。居住している建物が対象なので、土地には設定することができません。また、ご自宅が被相続人との共有であっても問題ありませんが、被相続人と子どもの共有だったような場合には、設定できません。そして、法改正の施行日である2020年4月以前に発生した相続や、それ以前に書かれた遺言書に基づく相続には適用されないことにもご注意ください。また、配偶者居住権は,配偶者のために認められた権利ですから、第三者に譲渡したり,所有者に無断で建物を賃貸したりすることはできません。それに、第三者に対して配偶者居住権を主張するためには登記をする必要があります。登記の先後で優劣が決まりますので、権利関係をめぐるトラブルを避けるためには、配偶者居住権を取得したらできるだけ早く登記手続をしたほうがよいでしょう。

     

    以上、配偶者居住権について説明させていただきました。

     

    配偶者居住権は新設の制度であり、登記についての情報もほとんどありません。配偶者居住権を利用をご検討される方、当事務所では、遺言書作成のアドバイスも承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。また当事務所は、相続税に詳しい税理士とも提携しております。税の面でもご心配のある方も、お気軽にお尋ねください。

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